復讐の海は深紅に染まり、反射する光景を認識できない程に歪ませます。ヴェールを進む路は崇高な目的の約束で人を魅了しますが、その結末を変える事は不可能です。破滅の運命は必然であり、唯一の道筋なのですから。
ポーシャ・メイは父の船に乗り、大海原で幼少期を過ごしました。好奇心旺盛なその少女は、想像を膨らませたり、忠犬のスナッグと絆を深めたりと、幸福な毎日を過ごしていました。運命が歪んだその航海も、その船出は平凡なものでした。しかし嵐に遭遇し、海賊に襲われたのが運の尽き。残酷な拷問を受ける父を助ける術もなく、縛られたポーシャは何時間も恐怖に怯え、父がいたぶられ、命が絶える惨事を眺めることしかできませんでした。
行き先は切望するだけでは辿り着けず、熟練の船乗りでも海の怒りには敵わないのです。霧の中に引き込まれる者が皆そうであるように、ポーシャが救われる道は初めからありませんでした。ハウンドマスターとなる運命は仕組まれていたのです。復讐 の名の下、霧の中で少女の犠牲は何十倍になって返され、その精神が砕け散り犠牲者が増え続ける中で、ハウンドマスターはその堕落を拒むことはありませんでした。
その悲劇から数世紀後、トーリー・ケインという名の若い女性も、その道の結末で待ち受ける破滅を知らずに、似たような門出に立ちます。黒爪の階級を駆け上がる中、神話的なエンティティへの深い信仰心に導かれ、トーリーは悍ましい発見をします。現実の表面下にはいくつもの別次元が、手を伸ばせば届く場所に潜んでいたのです。彼女は好奇心を抑えられず、手を伸ばすとそこには…
またもや破滅が…
深淵を奥まで探ると、何かが探り返してくるのはよくあること。伸ばした手を捕まれたら、待ち受ける恐怖を受け入れるしかないのです。
エンティティの領域に引き込まれる遥か前から、ポーシャとトーリーには共通点がありました。ふたりとも 家族を深淵に呑まれ、悲劇と流血から返り咲いたのです。そして残酷な旅路で習得した特異な能力を霧の中でも活用します。
孤島に何年も囚われたハウンドマスターの生存力は極限まで追い込まれ、結果として彼女の身体能力は大きく成長しました。糧を求めて獲物を追うにしろ、逃げ惑うサバイバーの首を跳ねるにしろ、彼女はつねに高所を好んで活用します。
ハウンドマスターの異質な才能は、身体的な苦痛と精神的な拷問を獲物に与えること。このふたつを組み合わせれば、致命的な効果をもたらせます。まずは獲物をフックに吊るして、それから発電機を破壊しましょう。
ハウンドマスターの攻撃はあまりにも痛烈で、その衝撃は受けたものにトラウマを植え付けます。一度ハウンドマスターの攻撃を受けた者は恐怖の余り、治癒が難しくなって、失敗の代償がより重大になるでしょう。
深淵と隣り合わせで長く過ごすことには、有益な面もあります。翼を生やしたカオスの使者を操るには相応の対価が必要ですが、トーリーは覚悟してその呼び出しの重荷を背負うのです。
黒爪での生活は苦痛を浴びる機会が日常的にあったため、トーリーは痛みに耐えられるよう幼い頃から適応しました。このためトーリーの治癒速度は常軌を逸しており、この体質は絶望的な状況で有利に働くでしょう。
死を追う者は常に一足先を行く必要があり、生きて帰る可能性すらをも自ら閉ざす苦渋の決断を、時としてトーリーは強いられます。その犠牲によって他の誰かが生き延び、栄光あるエンティティとの遭遇を経て、悍ましい真実に一歩近づくことを願いながら…
エンティティの操る人形は必ずひとつの運命を辿り、旅立てば元来た世界には決して戻れません。『Dead by Daylight: Doomed Course』は本日より配信開始です。