13年前、ベストセラー作家のアラン・ウェイクは不可解な状況下でブライトフォールズの町から姿を消した。外の世界で時が流れゆく中、アランは闇の世界にとらわれていた。それはアランの書いた物語が現実となる奇妙な世界だった。
彼のいる山小屋の外は、時が止まったように見える。アランはタイプライターの前に座り、何ページも物語を書いた。そして自分の心の最も暗い奥底から恐怖や悪魔を呼び起こし、自分が闇の世界から抜け出せるような物語を書こうとした。そうすることによってのみ、アランは本当の世界に戻って妻のアリスと再会できるのだ。
しかし、その奇妙な世界から抜け出すことはできなかった。そして永遠に物語を書き続けるうちに、アランは自分の知る世界に戻る希望を失っていった。
しかし彼はふと、あることを思い出した。ドラマシリーズ「ナイトスプリングス」の脚本のことだ。最初の方のエピソード用に彼が何年も前に書いたもの。エピソードのタイトルは「デッド・オブ・ナイト」。悪夢の世界に閉じ込められた者たちを描いた手に汗握る超自然的スリラーだ。確か彼らはエピソードの終わりで脱出に成功した…はずだ…
しかしアランはその結末が思い出せない。「ナイトスプリングス」のために書いていたのは遠い昔のこと。闇の世界は、彼の時間と記憶を蝕んでいた。