ハグの伝承
リサ・シャーウッドを捕らえた者たちは、彼女を鎖で壁に繋ぎ止めた。祖母の忠告におとなしく従っておけば良かった。呪われた村や魔女や人食い人種たちについて語った物語を、あれだけ聞かされていたのに、何故危険を冒してこんなに近くまで来てしまったのだろう?他にも囚人がいたが皆、不具にされたか虐殺されたかだ。彼らは人食い人種たちのエサ。空腹の状態で拷問されて行く内に、リサの腕にはめられた手枷が緩くなってきた。死の間際にリサは祖母の禁断の書物で見た記号を刻み始めた。彼女の中で黒い飢えが湧き起こり、血が欲しくてたまらなくなった。