ドクターの伝承
明晰な頭脳を持つハーマン・カーターは、秘密の政府組織であるレリー記念研究所の先進神経科学プログラムに抜擢された人物だった。彼は瞬く間に電気ショック療法の限界を打ち破り、トラウマありきの不道徳な革新をもたらすことによって無限の功績を挙げつづけた。そして結果が伴ったことで、倫理的な問題を指摘する者も誰もいなくなった。研究所そのものが沈黙した頃、調査員たちは恐ろしい現場を目の当たりにすることになる。職員も患者も囚人も、全員が死んでいたのだ—彼らは皆、ドクターの死の実験の犠牲者たちだった。