アーティストの伝承
弟の死によって罪の意識にさいなまれたカルミナ・モーラは、自らの命を断つことで不幸に終止符を打とうとした。だが、カラスたちには別の考えがあった。カラスたちに囲まれたカルミナは、そのビーズのような瞳に安らぎを覚えるようになる。異世界の存在とも思えるカラスたちにインスピレーションを受けた彼女は、自分を救ったカラスの群れを描くのに黒いインクを使用するようになった。間もなく次々と作品を生み出した彼女は、一部の人間には南米に大規模なシュールレアリスムをもたらしたパイオニアと呼ばれた。しかし、一方で彼女の存在を脅威とみなし、速やかに暴力によって排除するべき対象と考える者たちに目をつけられてしまう。