デイビッド・キングの伝承
キャリアの制限から解放され、家族のすねかじりになったデイビッド・キングはほとんどの時間をパブで過ごし、酒を飲んで試合を観戦しては喧嘩に明け暮れた。キングが時折借金取りの仕事をしていたことや、秘密の格闘クラブに出場し、素手で闘っていたことを知る者はほとんどいなかった。デイビッド・キングがパブに現れなくなった時も、友人たちは驚かなかった。彼らは、キングがついに勝てない相手に喧嘩を売ってしまったのだろうと考えた。そしてそれは、ある意味正しかったのである。
「誤解されているだけ」とか、「思い上がったやつだ」とかいう評価も、デイビッド・キングに面と向かって言う人間は誰もいない。道楽と騒動が十八番で、ケンカ好きな荒っぽい男だが、いつでも味方につけておいて損はない。